福祉用具は種類が多く「どれを選んだら良いかわからない」と困っていませんか?
予算も視野に入れる必要があり、あれもこれも買うわけにはいかず迷ってしまいますよね‥‥。
そこで今回は、福祉用具の失敗しない選び方や注意点について解説したいと思います。
福祉用具の種類や選び方のポイントをおさえ、必要なものを見極めていきましょう!
福祉用具を選ぶ3つのポイント
さっそく、福祉用具を選ぶポイントを見てみましょう。
選ぶポイントは、以下の3つです。
- 身体の状態にマッチしているかどうか
- 自分でできることを減らしていないかどうか
- 介助者の負担軽減につながるかどうか
福祉用具は、身体の状態にマッチしてはじめて機能を発揮します。
ただし、必要以上の福祉用具を選んでしまうと「自分でできること」が減り、今までできていたことが維持できなくなるので、選ぶ際は注意が必要です。
一方、福祉用具は介助者の負担を軽減する効果も期待できます。
福祉用具は介護される本人のみならず、介助者にとっても欠かせないツールであることを覚えておきましょう。
福祉用具の種類と特徴
ここでは、福祉用具の種類やそれぞれの特徴について紹介します。
福祉用具は「貸与対象」と「販売対象」に大別できます。
はじめに、貸与対象の福祉用具から見てみましょう。
福祉用具の種類(貸与) | 特徴 |
---|---|
介護ベッド | 高さ調節機能や背上げ機能、足上げ機能がある |
床ずれ防止用具 | マットレスやエアマットで長時間臥床の床ずれを防ぐ |
車椅子 | 種類は自走用・介助用・電動・電動四輪がある |
歩行器 | 固定型・前輪付き・交互型・肘支持型・三輪・四輪がある |
手すり(工事不要にかぎる) | ベッドや布団からの立ち上がり、トイレの立ち座り時に使用 |
スロープ(工事不要にかぎる) | 玄関や掃き出し窓に設置できる折りたたみ式 |
歩行補助杖 | 松葉杖・カナディアン・クラッチなどがある |
移動用リフト(つり具は除く) | ベッドから車椅子、浴室への移動をサポート |
次に、衛生上の観点から貸与が難しい販売対象の福祉用具を紹介します。
福祉用具の種類(販売) | 特徴 |
---|---|
腰掛け便座 | ポータブルトイレ・据置式便座などがある |
入浴補助用具 | シャワーチェア・浴槽用手すり・浴槽内チェアなどが該当 |
簡易浴槽 | 折りたたみ式や空気式があり、工事を伴わないものを指す |
福祉用具はこれだけの種類があるので「どれを選んだら良いのかわからない‥‥」と悩むのは当然です。
次章で、具体的な福祉用具の選び方について掘り下げてみましょう!
福祉用具の選び方
続いて、福祉用具の選び方について紹介します。
ポイントをおさえ、必要な福祉用具を見極めましょう!
身体の状態に合わせる
冒頭でもお伝えしたとおり、福祉用具は身体に合うことではじめて機能を発揮します。
身体の状態にマッチすることにより、自立度や自由度の向上が期待できるでしょう。
一方、安全性を確保することも重要です。
身体に合っていない福祉用具を使うと、車椅子や介護ベッドからずり落ちるといった事故につながりかねません。
福祉用具を選ぶ際は、快適性だけでなく安全性にも留意しましょう。
本当に必要かどうかを見極める
福祉用具は介護される本人の自由度や自立度を向上させることから、日常動作のサポートには欠かせないツールといえます。
しかし、福祉用具はすべて取りそろえれば良いわけではありません。
必要以上の福祉用具を取りそろえてしまうと、今できることすら福祉用具に頼ってしまい、自立度の低下につながるリスクも潜んでいます。
わかりやすい例をあげると、歩行可能な方が歩行器を利用した場合、筋力低下により、今までよりも歩行能力が下がるリスクが考えられるでしょう。
したがって、自分でできることを減らさないためにも、福祉用具を選ぶ際は「本当に必要かどうか」を見極めましょう。
介助者の負担を考慮する
福祉用具は介助者の負担軽減に役立ちます。
たとえば、移動用リフトは肉体的負担を軽減する効果があります。
またスロープや手すりを導入した場合、安全性を確保できることで、介護される本人のみならず介助者にも「安心感」が生まれ、精神的な負担も軽減されるでしょう。
福祉用具は、介助者の目線で検討することも不可欠です。
無理のない範囲で介護ができる環境を整えるためにも、福祉用具を積極的に活用しましょう。
福祉用具を選ぶときにやってはいけないこと
選ぶポイントについてわかったところで、福祉用具を選ぶ際に「やってはいけないこと」も気になるところ。
「選んだ福祉用具が合わなかった‥‥」と後悔しないためにも、必ずチェックしておきましょう!
相談しないで決める
福祉用具はインターネットでカタログを見てレンタル・購入できるがゆえに、第三者からのアドバイスを受けずに決めてしまう方がいます。
しかし、プロに相談せず決めることは、安全性や快適性への配慮が不十分であるケースもあり危険です。
「身体に合うかどうか」「本当に必要かどうか」「介助者の負担を軽減するかどうか」といったポイントをおさえるには、担当のケアマネージャーに相談するのがベスト。
もちろん、福祉用具を専門に扱う事業所に相談するのもひとつです。
福祉用具を自分ひとりで選ぶことは避けましょう。
価格だけで決める
福祉用具の利用を検討する際、予算内におさまるかどうかは気がかりな部分です。
そのため、価格を重視して決めたい方は多いのではないでしょうか。
しかし、商品価格やレンタル代だけで決めることはおすすめしません。
なぜなら福祉用具事業所によって、アフターフォローやお試し期間の有無が異なるからです。
福祉用具そのものを検討するほか、貸与あるいは購入する事業所選びも重要であると覚えておきましょう!
ちなみに介護保険を利用すれば、福祉用具を少ない自己負担で使用できます。
福祉用具(貸与) | 介護度に応じた支給限度額の範囲内で利用料の1〜3割を自己負担 |
福祉用具(販売) | 10万円を上限として購入費の9割が支給される |
ただし、貸与の場合は介護度によりレンタル可能な品目が異なるほか、指定された事業所での貸与でないと保険給付の対象外となります。
また販売の場合も同様に、指定された事業所で購入しないと保険給付の対象外となるので注意しましょう。
加えて福祉用具を購入する際は、はじめに利用者が購入費の全額を支払い、あとから給付分が払い戻しになるので、あらかじめ資金を調達しておきましょう。
まとめ
今回は福祉用具の選び方について、選ぶポイントや注意点を解説しました。
では、選ぶポイントをおさらいしましょう!
- 身体の状態にマッチしているかどうか
- 自分でできることを減らしていないかどうか
- 介助者の負担軽減につながるかどうか
福祉用具は身体に合うものを選ぶほか、必要性や快適性も判断して決める必要があります。
そのため、介護される本人や介助者にとってベストな福祉用具を選ぶなら、ケアマネジャーや福祉用具事業所に相談するのが得策です。
プロに相談することで、選んだ福祉用具のミスマッチを防ぐことができます。
本記事で紹介した選ぶポイントをふまえ、福祉用具を有効活用しましょう!